ヘテロ な実験室(テルミンとバットディテクターへのこだわり)

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2010年 02月 22日

良質なテルミンを造りたい(2)

良質なテルミンを造りたい(2)

◎今回は
2.音域が広いこと  >> 発振回路間の引き込みを少なくする

・音域
 テルミンの演奏可能な音域を広くするにはより低い周波数が出るようにし、より高周波数が出るようにすれば良いので実現する音域の目標を3オクターブ~4オクターブとします。

 ここで云う演奏可能な音域とは発音可能な音域と言うのではなく前回の説明にあるピッチ特性が直線的になっている演奏のし易い範囲の音域とします(発音可能な範囲は4オクターブ~6オクターブとなります)。

 より低い周波数が出るようにすると言ってもスピーカーの特性からも限度があり50Hz~60Hz程度まで出ておれば良いかと思います。
高い方は3kHz~4kHzのどこかになるかと思います。
この内の直線性の良くない両端を除く3~4オクターブが演奏のし易い範囲となります。

 あまり演奏可能な音域を広くとると標準的な演奏法をするにはテルミンと演奏者の間隔を少し広めにして立つ必要があるかも知れません。

・なぜ低い方の音が出ないか
 テルミンは2つの発振回路が干渉しており低い周波数を発音するときは2つの発振回路の周波数差が小さくなっておりどこかでどちらかの発振回路が引き込まれ2つとも同じ周波数で発振することになります。
従って発振回路間の結合を極力少なくして引き込みを少なくすれば低い方の音域を広くできます。
 ダイオードミキシングの場合はダイオードへの結合コンデンサーを介して引き込みループが出来てしまいますのでこのコンデンサーの容量を小さくしなければなりませんが出力が低くなってしまうのでE-waveあたりの定数が限界かと思います。

・どうしたら低い方の音が出るようになるか
 発振回路間の引き込みを少なくすると言うのが結論です。
 これを改善するためにしてダイオードミキシングではバッファーを介してミキシングする方法があります、アクティブミキサーを使用する方法もあります。
アクティブミキサーとしてはDBMを使用する方法がお手軽で良い結果が得られます。
ヘテロな実験室では今回DBM(NJM2593)を使用して良好な結果を得ました。

 テルミンは回路上で良いと考えても製作してみると期待通りの結果が得られないことがあります。
原因としては2つの発振回路のレイアウトが良くなく引き込みが早く起こる、アースや電源ラインが影響している。
見落としやすいのはアンテナから電波が出ており直接回路に飛び込んでいることを意識する必要があります、バッファーを入れてもそれ程良い結果が出ない場合はこの可能性があります、できる限り小さい面積で実装できる回路が得策のようです。
場合によってはt-Voxのように部分的なシールドをする必要があるかも知れません。

・どうしたらより高い方の音が出せるか
 こちらはズバリ発振回路次第と言うのが結論です。
たとえばX-tal発振回路は周波数が安定していると言われますが周波数の可変範囲が極端に狭くテルミンには不向きなのです、テルミンの発振回路は安定度からも色々な特性からもLC発振回路がお勧めです。
周波数とL/C比から必要な周波数変化が得られるように各定数を決めます。
 ただし、ピッチ特性を直線的に調整するためにアンテナコイルを接続すると発振可能な範囲が変化するので両方のバランスをとりながら定数を決定します。
 また、使用するアンテナによっても大きく定数が変わりますのでまず先にアンテナを製作する方が良いかと言えます、更にケースに収めると再調整が必要になるのでケースも早い段階で手当てをした方が良いと思います。

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テルミンの製作記事(回路図等の製作データもあります)と販売のサイト
http://www.mb-labo.com
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by MB_theremin | 2010-02-22 22:04 | テルミン
2010年 02月 21日

良質なテルミンを造りたい(1)

良質なテルミンとは?、と、言ってもあまりにも漠然としているので取敢えず範囲を絞ってみます。
ここでは2アンテナ・テルミンを造りますが、今回はピッチ回路について取り上げます。

1.弾きやすいピッチ特性であること >> アンテナコイルによるピッチ特性の調整
2.音域が広いこと  >> 発振回路の引き込みを少なくする 
3.素直な音色が出ていること  >> 歪みの少ない正弦波発振回路

◎今回は
1.弾きやすいピッチ特性であること >> アンテナコイルによるピッチ特性の調整

 テルミンは周波数の接近した2つの高周波発振回路を干渉させその差の周波数を音として出力します。
片方の発振回路(REF OSC)は周波数が固定されています、他方の発振回路(PITCH OSC)

は垂直のアンテナ(PITCHアンテナ)に接続されます。
アンテナにてを近づけたり遠ざけたりすると手先とアンテナの間の静電容量が僅かに増減して発振周波数を変える事で音程(ピッチ)を変化させて演奏をします。
 良質なテルミンは3オクターブ以上の音域を持ちますが低い方の音を1度変化させるための手の移動距離(dL)と高い方の音を1度変化させるための手の移動距離(dH)の関係が dH<<dL となって演奏がしづらくなります。
 弾き易くするにはほぼ dH=dL となるようにすれば良く、アンテナコイルをPITCH OSCとアンテナの間に挿入します、使用する周波数よりも自己共振周波数が高いことは勿論、温度特性も良好なコイルを使用します。

 演奏家は数十秒のテストでほぼ弾き易さを判断しますが初心者にはなかなか判断が難しいです。
当ヘテロな実験室ではピッチ特性を測定してグラフ化することで客観的に評価をするとともに実際に演奏をして調べております。

    ----- グラフの直線性のよい部分が弾きやすい範囲となります(赤色のグラフ) -----
     青線のグラフはアンテナコイルのない状態グラフの曲がっているところは弾きにくい
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D:\_Data\mblb\Theremin\pitch8617b.jpg

 このような特性にするためには周波数の変動が少ない発振回路としなければなりません。
目安としては秒単位以内の周波数変動は1Hz程度までに抑える必要があります。
変動が多いと音が濁ったりピッチが安定しません。

次回の予定は
2.音域が広いこと  >> 発振回路の引き込みを少なくする

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by MB_theremin | 2010-02-21 22:24 | テルミン