ヘテロ な実験室(テルミンとバットディテクターへのこだわり)

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2010年 04月 10日

これまでに製作したテルミンのケース

これまでにテルミンのケースを何種類か製作しました。

構造的には以下のようなタイプを製作しました。
1.Etherwaveのようにコの字型を2ヶ造って組み合わせるタイプ。
2.丸木船のように上から刳り貫いたような構造。
3.重箱のような箱を造って蓋(平板)を乗せるか兆番で止めるタイプ

材質は
木   : ファルタカ、ヒノキ、なら、ケヤキ など (左は柔らかく軽い木、右は堅くて重い木になります)。
樹脂 : アクリルなどがあります。
金属 : テルミンには適しません。

今回はケヤキの板材でテルミンのケースを製作しました(写真は塗装前)。
構造はコの字2ヶタイプです、木工ボンドで接着し内側に補強がしてあります。
カバーの止め穴をける前の写真です、正面と背面ににカバーの止めネジ2本づつ取り付けられます。
木部のみの寸法 :約 450×170×70 mm
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前回製作した丸木舟構造ケースです。
材料は本体はファルタカ板を4枚接着し内部は刳り貫いてあります、天板と合わせて5枚使用してあります。
塗装は水性着色ニス(ゴールデンオーク)。
木部のみの寸法 :約 450×150×65 mm
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こちらは”なら”材を使用したスリム(幅を狭くした)なケースです(塗装色はゴールデンオーク)。
箱型のケースに天板を兆番止めしてあります、止め具のドイツ錠は品切れで片方のみ取り付けてあります。
木部のみの寸法 :約 450×73×65 mm
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こちらはファルタカ材を使用した丸木船構造です(塗装色はマホガニ)。
操作パネルを上面にしてあります、天板は上部で木ビス止めしました。
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こちらは2つに折りたためるタイプになります(塗装色はケヤキ)。
材質はファルタカ板を使用し丸木舟構造です、操作パネルを上面にしてあります。
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折りたたんだ状態
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こちらはカバーにアクリル板を使用したスケルトン型です。
実験用に使用しています、写真は2台のポケットラジオで作るテルミンの試作時のもの。
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次回はテルミンのアースのとり方などについてを予定しています。

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テルミンの製作記事(回路図等の製作データもあります)と販売のサイト
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# by MB_theremin | 2010-04-10 20:59 | テルミン
2010年 03月 09日

テルミンのケース(角丸・丸木船型ケース)を製作する

今回はテルミンのケースの製作についてです。

3月29日完成したケースの写真を下段に追加しました。
3月22日塗装の写真を下段に追加しました。

a0154185_16392816.jpg


  写真のケースのように角が丸く仕上げてあるケースを考えました。
木板を六面から貼り合わせて箱型にするのでなく、丸木舟のように中をくり貫いた構造で造ります。
上の写真は薄型ケースの例で操作つまみが上面になっていますが、今回は単2型電池4本を収納したいので 約450mm×150mm×65mm とします、操作つまみは前面(演奏者の側)配置となります。

  材料は加工のし易い150mm幅、板厚13mm、長さ910mmのファルカタ材3枚を用意します。
3枚とも1/2の長さ約455mmにカットし、150mm幅、板厚13mm、長さ455mmの板5枚を使用します。
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5枚の内の3枚は中をくり貫いて枠のようにします。
手前の穴の開いたベニア板はトリマー用のテンプレートです。
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3枚を木工ボンドで接着すると外形は455mm長、150mm幅、板厚39mmとなります。
ボンドが固まってから、内側を木工やすりやドレッサーなどで張り合わせのずれたところを削って平らにします。
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底板をボンドで接着すると丸木舟構造ができます。
外側をかんなや木工やすり、ドレッサーなどで削って整えます。
アンテナ継ぎ手取り付け用の穴3ヶと操作パネル部分を開口します。
マイクスタンド用の金具の取付け穴やプリント基板固定用のスペーサーの下穴も開けておきます。
緑色は部品を実装する前のプリント基板
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残りの1枚は天板になります、電池式テルミンのケースとするので電池交換がし易いように兆番を付けて開閉できるようにします。
アンテナ取付け用の継ぎ手とアンテナ、電池BOX(UM2×3)も仮付けしてみました。
早く室温になじむよう通風孔も追加しました。空気は底面から吸気して本体と天板の間の隙間から上へ抜けます。
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天板を閉めるとこんな感じ
Volアンテナ外側とピッチアンテナの間隔は約70cmあり標準的な演奏法ができます。
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以下は210/3/22の加筆です。
塗装ファルカタ材は加工がし易く、しかも軽いので良いのですが、傷がつきやすい、吸湿し易いなどの欠点もあります。
長期間使用する用途には塗装が必要です。
塗装をする前にペーパーをかけ、下処理をしてから着色ニスを吹付け塗装して仕上げます。
今回は水性着色ニス(ゴールデンオーク)を3回ほど重ね塗りしました、内側も吸湿防止に色がつく程度に塗装にします。

a0154185_1838810.jpg



以下は2010/3/29の加筆です。
プリント基板、アンテナ、操作パネルを取り付けて超軽量テルミンの完成です。

正面(演奏者側)から見たところ アンテナはバフ仕上げニッケルクロームメッキまたはステンレス製です。
天板の留め金(ドイツ錠と呼ぶそうです)がなかなか見つかりませんでした、印鑑箱などでは今でも使用されてるようですが5階建てのビル全てが倉庫になっている大きな金物店でも今は作ってないよ云われましたが何とか見つかりました。
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背面(お客さま)から見たところは部品は付いていないので平面状です
背面と天板にトールペイントの上手な知り合いに花の絵を描いてもらえる予定です。
あなただけのマイテルミンの製作にお応えできます、いかがでしょうか。
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内部の様子は試験中につき小さい写真です。
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テルミンの重量比較
  超軽量テルミン :  約1.6kg(アンテナ、乾電池UM-2×4本を含む)   
  Etherwave  :  約2.6kg(アンテナ、ACアダプター410gを含む)


次回はこれまでに製作した色々なテルミンのケース
     テルミンのアースのとり方
     などについてを予定しています。
    
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# by MB_theremin | 2010-03-09 17:29 | テルミン
2010年 03月 08日

良質なテルミンを造りたい(4)

今回は”アンテナコイル”について


  良質なテルミンを造りたい(2) でテルミンのピッチ特性を各オクターブともほぼ同じような距離にするにはピッチ発振回路とアンテナとの間にアンテナコイルを入れると説明し、その効果をグラフ化して示しました。
テルミンの製作記事はweb上に沢山UPされていますが、アンテナコイルについての情報はほとんどありません。
そこで他からの転載では不都合が出るかも知れないので自分でE-waveの写真を撮りました。

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写真中央の3ヶのコイルがアンテナコイルです。
アンテナコイルとアンテナ継ぎ手の間は太めのメッキ線で配線されています、これは柔らかい線で配線すると配線が動いてピイッチ特性がづれるのを防ぐためと思われます。
以前webでアンテナコイルとアンテナの間に貼ってあるアルミ箔の働きについて議論されていた事がありますが、このアルミ箔にもピッチ特性を整える働きがあると考えられます。


  web上でアンテナコイルの実装状態が確認できる例として、はe-windsさんのweb中の開発秘話の中にe-winds製品版の内部と言う写真が出ており、ケースの右角に数個のコイルが確認できます。

  アンテナコイルについて詳しい説明が出ているのは
Silicon Chip August 2000 theremin kit modifications の中で 
Linearizing the pitch sensitivity として説明されています。

  しかし、具体的にどのようなコイルを実装したかについてはコイルの値や型名や写真などは見当たりません。
もっともなことで実際に製作してみると単純に何mHとは書き辛いところがあって発振回路の特性、発振周波数、共振回路のL/C比、アンテナの形状、アンテナコイルの特性(特にコイルの自己共振周波数や寄生容量)や実装方法、ケースの状態等がからんで最適な値を表示してもまったく同じものを造るのでなければ再現が難しいことが解ります。

★ それでは話にならないので参考程度に大雑把な値を示すとすれば、10mH位から数10mHの範囲で特性を確認しながら決めるというのが私の答えです。


参考
使用する周波数に対して自己共振周波数が低い場合や寄生容量が大きいコイルはアンテナコイルとして使用できません。
上の写真の例では空芯(コアーを使用しないボビンに巻かれている)の分割ハニカム巻きコイルが3ヶ直列に実装されています。
コイルを3ヶに分けたり、リツツ線を分割ハニカム巻きにするのは自己共振周波数や寄生容量による影響を減らすのに効果があると思われます、また空芯コイルはコアーを使用したコイルよりも温度特性が良いと思われます。
  
  しかしコアー入りコイルの場合は巻き数が少なくなることや小型にできるメリットがあります。
コアー入りコイルは巻き数が少なくなるので寄生容量が少なくなりそうですが市販のほとんどのコイルは巻き線がコアーにベタに巻きつけてあり、巻き線が各層で最下層の引き出し線と接触しておりテルミン用としては適さない場合が多いようです。
この場合も一ヶのコイルで調整しようとしないで複数のコイルに分けて実装すると良い場合があります。

  なお、電源ON後ピッチが安定しない場合は発振回路はもちろんアンテナコイルの温度特性も検討する必要があります。


次の写真は”ヘテロな実験室”で製作したテルミンのアンテナコイルの実装例です。
下記のお知らせの理由でモジュール化してあります。

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★ アンテナコイルが無くてもピッチ特性が良好なテルミンの例
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Lydia_kavina.jpg で
ロシアの代表的なテルミン奏者 Lydia Kavina さんの使用されているテルミン t-Vox (ロシア製)は現在は購入できないようですが、アンテナコイルと発振コイルが一体になったような回路と見受けられ独立したアンテナコイルはありませんが大変弾きやすいピッチ特性です。


★ お知らせ
へてろな実験室で製作したテルミンはテルミンの製作キットとして (完成品もあります) 販売しておりますが発振回路とアンテナコイルをモジュール化してアンテナとともに検査装置に実装して動作確認をして出荷しておりますので再現性が高くなっております。


次回はテルミンのケースの製作についてを予定しています。
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# by MB_theremin | 2010-03-08 23:38 | テルミン
2010年 03月 08日

良質なテルミンを造りたい(3)

今回は”素直な音色が出ていること”について

 人によって”素直な音” とか ”まるい音” とか呼ばれるようですが電気的(波形的)に言えば歪みの少ない正弦波が出ていることが第一条件で次に波形を加工して音色を加工することになります。
 テルミンの場合はmidiように一音、1音発音するのでなく常に連続して発音されているので音色の加工といってもそんなに複雑なことはされません、何らかの方法で程よく歪を与えることになります。
最大限に歪ませると矩形波になります、アンプのスレッショールドを変えてdutyを変えることもあります。
効果音的に使う場合を除き、あまり過度に波形を加工した音は好まれないように思います。


ここでは歪みの少ない正弦波を出すことに専念することにします。
一言で言えば、ピッチ発振器とレファレンス発振器の出力を歪の少ない正弦波とすることです。
実際にはこれがなかなか大変で以下のような条件を満たさなければいけません。

1.周波数が安定していること
  時間的な安定と温度変化に対する安定が必要です。
周波数の安定度としては発振周波数にかかわらず数秒間の間のふらつきを数Hz以下にします。
電圧変化でも周波数が変化するので電源の安定回路と十分な容量のデカップリングをします。
  温度変化によるピッチのズレはピッチ発振器とレファレンス発振器は同じ回路構成とするとある程度は改善されます。

2.適度な周波数変化が得られること
  テルミンは発振周波数に関係なくピッチ発振器にアンテナをつないで手を近づけたり遠ざけたりした時の周波数変化が発音可能な周波数変化となるので、2kHz~3kHzの変化が必要です。
2kHz~3kHzの変化では少ないように思えるかも知れませんが、ここではアンテナコイルでピッチ特性の調整をすることを前提にしているのでこれで良いのです。
ピッチ特性の調整をすると周波数の変化範囲が広くなってきます。

3.引き込み現象を少なくする(*1)
  この項は前回と重複するので詳しくは書きませんが低い音の歪みを減らすのに重要です。
ゼロポイントに近付くと二つの発振回路が干渉して波形が歪んできます、このためテルミンの演奏音も中、高音ではきれいな波形をしていても低音部では歪んだ音になりがちです。

4.テルミンに最適な発振回路
  X-tal発振回路は周波数安定が良いのでこれでテルミンを造りたいなどと言うアイデアを見かけますが上記の2の条件が満たされなく失格となります。

  ◎ 総合的にはL/C発振回路が良いようです、2番手としてCR発振回路も考えられますが私としては発振素子の一端がアースまたは電源につながっている回路が良いと言うこだわりがありまして・ ・ ・ 、
ここではL/C発振回路を使用してテルミンの製作をすすめることにします。
これで(*1)と合わせてより低い周波数の音域まで正弦波(丸い音)のテルミンができそうです。  

 今回は高精度の部品を選んだり、選別した部品を使用して良好な発振モジュールに仕上がりました。

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    ----- 発振波形はきれいな正弦波となっています、周波数の揺らぎもほぼ1Hz/秒以下をクリヤーできました。
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次回はアンテナコイルについてを予定しています。

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# by MB_theremin | 2010-03-08 15:19 | テルミン
2010年 02月 22日

良質なテルミンを造りたい(2)

良質なテルミンを造りたい(2)

◎今回は
2.音域が広いこと  >> 発振回路間の引き込みを少なくする

・音域
 テルミンの演奏可能な音域を広くするにはより低い周波数が出るようにし、より高周波数が出るようにすれば良いので実現する音域の目標を3オクターブ~4オクターブとします。

 ここで云う演奏可能な音域とは発音可能な音域と言うのではなく前回の説明にあるピッチ特性が直線的になっている演奏のし易い範囲の音域とします(発音可能な範囲は4オクターブ~6オクターブとなります)。

 より低い周波数が出るようにすると言ってもスピーカーの特性からも限度があり50Hz~60Hz程度まで出ておれば良いかと思います。
高い方は3kHz~4kHzのどこかになるかと思います。
この内の直線性の良くない両端を除く3~4オクターブが演奏のし易い範囲となります。

 あまり演奏可能な音域を広くとると標準的な演奏法をするにはテルミンと演奏者の間隔を少し広めにして立つ必要があるかも知れません。

・なぜ低い方の音が出ないか
 テルミンは2つの発振回路が干渉しており低い周波数を発音するときは2つの発振回路の周波数差が小さくなっておりどこかでどちらかの発振回路が引き込まれ2つとも同じ周波数で発振することになります。
従って発振回路間の結合を極力少なくして引き込みを少なくすれば低い方の音域を広くできます。
 ダイオードミキシングの場合はダイオードへの結合コンデンサーを介して引き込みループが出来てしまいますのでこのコンデンサーの容量を小さくしなければなりませんが出力が低くなってしまうのでE-waveあたりの定数が限界かと思います。

・どうしたら低い方の音が出るようになるか
 発振回路間の引き込みを少なくすると言うのが結論です。
 これを改善するためにしてダイオードミキシングではバッファーを介してミキシングする方法があります、アクティブミキサーを使用する方法もあります。
アクティブミキサーとしてはDBMを使用する方法がお手軽で良い結果が得られます。
ヘテロな実験室では今回DBM(NJM2593)を使用して良好な結果を得ました。

 テルミンは回路上で良いと考えても製作してみると期待通りの結果が得られないことがあります。
原因としては2つの発振回路のレイアウトが良くなく引き込みが早く起こる、アースや電源ラインが影響している。
見落としやすいのはアンテナから電波が出ており直接回路に飛び込んでいることを意識する必要があります、バッファーを入れてもそれ程良い結果が出ない場合はこの可能性があります、できる限り小さい面積で実装できる回路が得策のようです。
場合によってはt-Voxのように部分的なシールドをする必要があるかも知れません。

・どうしたらより高い方の音が出せるか
 こちらはズバリ発振回路次第と言うのが結論です。
たとえばX-tal発振回路は周波数が安定していると言われますが周波数の可変範囲が極端に狭くテルミンには不向きなのです、テルミンの発振回路は安定度からも色々な特性からもLC発振回路がお勧めです。
周波数とL/C比から必要な周波数変化が得られるように各定数を決めます。
 ただし、ピッチ特性を直線的に調整するためにアンテナコイルを接続すると発振可能な範囲が変化するので両方のバランスをとりながら定数を決定します。
 また、使用するアンテナによっても大きく定数が変わりますのでまず先にアンテナを製作する方が良いかと言えます、更にケースに収めると再調整が必要になるのでケースも早い段階で手当てをした方が良いと思います。

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テルミンの製作記事(回路図等の製作データもあります)と販売のサイト
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# by MB_theremin | 2010-02-22 22:04 | テルミン