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ヘテロ な実験室(テルミンとバットディテクターへのこだわり)

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2010年 02月 21日

良質なテルミンを造りたい(1)

良質なテルミンとは?、と、言ってもあまりにも漠然としているので取敢えず範囲を絞ってみます。
ここでは2アンテナ・テルミンを造りますが、今回はピッチ回路について取り上げます。

1.弾きやすいピッチ特性であること >> アンテナコイルによるピッチ特性の調整
2.音域が広いこと  >> 発振回路の引き込みを少なくする 
3.素直な音色が出ていること  >> 歪みの少ない正弦波発振回路

◎今回は
1.弾きやすいピッチ特性であること >> アンテナコイルによるピッチ特性の調整

 テルミンは周波数の接近した2つの高周波発振回路を干渉させその差の周波数を音として出力します。
片方の発振回路(REF OSC)は周波数が固定されています、他方の発振回路(PITCH OSC)

は垂直のアンテナ(PITCHアンテナ)に接続されます。
アンテナにてを近づけたり遠ざけたりすると手先とアンテナの間の静電容量が僅かに増減して発振周波数を変える事で音程(ピッチ)を変化させて演奏をします。
 良質なテルミンは3オクターブ以上の音域を持ちますが低い方の音を1度変化させるための手の移動距離(dL)と高い方の音を1度変化させるための手の移動距離(dH)の関係が dH<<dL となって演奏がしづらくなります。
 弾き易くするにはほぼ dH=dL となるようにすれば良く、アンテナコイルをPITCH OSCとアンテナの間に挿入します、使用する周波数よりも自己共振周波数が高いことは勿論、温度特性も良好なコイルを使用します。

 演奏家は数十秒のテストでほぼ弾き易さを判断しますが初心者にはなかなか判断が難しいです。
当ヘテロな実験室ではピッチ特性を測定してグラフ化することで客観的に評価をするとともに実際に演奏をして調べております。

    ----- グラフの直線性のよい部分が弾きやすい範囲となります(赤色のグラフ) -----
     青線のグラフはアンテナコイルのない状態グラフの曲がっているところは弾きにくい
良質なテルミンを造りたい(1)_a0154185_21463633.jpg


D:\_Data\mblb\Theremin\pitch8617b.jpg

 このような特性にするためには周波数の変動が少ない発振回路としなければなりません。
目安としては秒単位以内の周波数変動は1Hz程度までに抑える必要があります。
変動が多いと音が濁ったりピッチが安定しません。

次回の予定は
2.音域が広いこと  >> 発振回路の引き込みを少なくする

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テルミンの製作記事(回路図等の製作データもあります)と販売のサイト
http://www.mb-labo.com

by MB_theremin | 2010-02-21 22:24 | テルミン


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