ヘテロ な実験室(テルミンとバットディテクターへのこだわり)

mytheremin.exblog.jp
ブログトップ
2010年 03月 08日

良質なテルミンを造りたい(3)

今回は”素直な音色が出ていること”について

 人によって”素直な音” とか ”まるい音” とか呼ばれるようですが電気的(波形的)に言えば歪みの少ない正弦波が出ていることが第一条件で次に波形を加工して音色を加工することになります。
 テルミンの場合はmidiように一音、1音発音するのでなく常に連続して発音されているので音色の加工といってもそんなに複雑なことはされません、何らかの方法で程よく歪を与えることになります。
最大限に歪ませると矩形波になります、アンプのスレッショールドを変えてdutyを変えることもあります。
効果音的に使う場合を除き、あまり過度に波形を加工した音は好まれないように思います。


ここでは歪みの少ない正弦波を出すことに専念することにします。
一言で言えば、ピッチ発振器とレファレンス発振器の出力を歪の少ない正弦波とすることです。
実際にはこれがなかなか大変で以下のような条件を満たさなければいけません。

1.周波数が安定していること
  時間的な安定と温度変化に対する安定が必要です。
周波数の安定度としては発振周波数にかかわらず数秒間の間のふらつきを数Hz以下にします。
電圧変化でも周波数が変化するので電源の安定回路と十分な容量のデカップリングをします。
  温度変化によるピッチのズレはピッチ発振器とレファレンス発振器は同じ回路構成とするとある程度は改善されます。

2.適度な周波数変化が得られること
  テルミンは発振周波数に関係なくピッチ発振器にアンテナをつないで手を近づけたり遠ざけたりした時の周波数変化が発音可能な周波数変化となるので、2kHz~3kHzの変化が必要です。
2kHz~3kHzの変化では少ないように思えるかも知れませんが、ここではアンテナコイルでピッチ特性の調整をすることを前提にしているのでこれで良いのです。
ピッチ特性の調整をすると周波数の変化範囲が広くなってきます。

3.引き込み現象を少なくする(*1)
  この項は前回と重複するので詳しくは書きませんが低い音の歪みを減らすのに重要です。
ゼロポイントに近付くと二つの発振回路が干渉して波形が歪んできます、このためテルミンの演奏音も中、高音ではきれいな波形をしていても低音部では歪んだ音になりがちです。

4.テルミンに最適な発振回路
  X-tal発振回路は周波数安定が良いのでこれでテルミンを造りたいなどと言うアイデアを見かけますが上記の2の条件が満たされなく失格となります。

  ◎ 総合的にはL/C発振回路が良いようです、2番手としてCR発振回路も考えられますが私としては発振素子の一端がアースまたは電源につながっている回路が良いと言うこだわりがありまして・ ・ ・ 、
ここではL/C発振回路を使用してテルミンの製作をすすめることにします。
これで(*1)と合わせてより低い周波数の音域まで正弦波(丸い音)のテルミンができそうです。  

 今回は高精度の部品を選んだり、選別した部品を使用して良好な発振モジュールに仕上がりました。

a0154185_2294993.jpg

    ----- 発振波形はきれいな正弦波となっています、周波数の揺らぎもほぼ1Hz/秒以下をクリヤーできました。
a0154185_224211.jpg


次回はアンテナコイルについてを予定しています。

----------------------------------------------------------------------------------------------
テルミンの製作記事(回路図等の製作データもあります)と販売のサイト
http://www.mb-labo.com
[PR]

by MB_theremin | 2010-03-08 15:19 | テルミン


<< 良質なテルミンを造りたい(4)      良質なテルミンを造りたい(2) >>